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CHI KITAGAWA

ソーシャルメディアで失敗する2つの要因


企業がソーシャルメディアで失敗してしまう要因は主に2つあります。

まず、一つ目は、「ブランド」と言う土台が確立されないままソーシャルメディアを始めてしまうことです。

企業にとってソーシャルメディアは「アンプ」のようなものです。最高なものは最高なものとして増幅され、反対に最悪なものや、イマイチなものはそのように増幅されてしまいます。ソーシャルメディアで成功している企業は、そもそも人々が語りたくなるような良い「ブランド」を持っているのです。

「中小企業にブランドは必要ない。」「ブランディングは余裕がある大企業がやることだ。」このように思っている方もいらっしゃいますが、この考え方によって大きなチャンスを逃してしまっているかもしれません。現在アメリカにある会社の99.7%は中小企業(社員数500名以下の企業)と言われています。その中でも多くの企業が似たような商品やサービスを展開しています。差別化が難しい中小企業こそ、ブランディングの力で突出することができるのではないでしょうか?いくら商品やサービスが良くても、それが人々に知られなければ、そして心を打たなければ、何の意味もありません。ソーシャルメディアを始める以前のステップ0として、自社に人々が語りたくなるようなブランドがあるかどうかを見直すことが非常に重要です。

二つ目の失敗要因はユーザーを無視して、自社のブランドの発信に夢中になってしまうことです。

先ほどのブランディングの重要性と矛盾しているように聞こえますが、ここにはソーシャルメディアのユーザーの本質が隠されています。何故人々はソーシャルメディアを使うのでしょう?それは自己のアイデンテティを表現できる場所だからです。先ほど企業にとってソーシャルメディアはアンプのようなものだと紹介しましたが、人々にとってソーシャルメディアは「鏡」のようなものです。FacebookでLikeするページ、Instagramで投稿する写真、Twitterでつぶやく言葉。これらは全て、「自分」がどのような人間なのかを世の中に反映しているのです。例えば、環境のことを大切に思う人間であれば、環境に優しいブランドや環境問題に立ち向かう団体などの活動をフォローし、Likeし、シェアすることで、それらを支持している「自分」を表現しているのです。このように人々の心を動かすものは常に、自己のアイデンテティと重なるものなのです。

しかし、多くの企業は自社のアイデンテティの発信に夢中になり、ファンとなり得る人々のアイデンテティを無視してしまっています。自社が発信したいことよりも先に、人々が発信したいことを考えなければ、それらの人々の心を動かし、ファンになってもらうことはできません。

自社のブランドを見直し、そのブランドと人々のアイデンテティが重なる「共感」部分を見つけることが、長く愛されるブランドとそうでないブランドの分かれ道なのかもしれません。

次回は、実際アメリカで人々が語りたくなるような、愛される企業の成功事例をいくつかピックアップしていきたいと思いますので、お楽しみに!

Written by CHI KITAGAWA

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