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IoTとクラウドが作る未来#10 ブロックチェーンと暗号通貨3


皆さんはパスワードを何個持っていますか?最近はパスワードを忘れても教えてくれず、リセットするしかない事が多いですよね。しかも昔のパスワードは使えないので新しいものを作らないといけません。そんな感じでどんどん増えてしまいます。なぜこんな面倒な事になっているのでしょうか?

その答えがブロックチェーンにも使われているハッシュです。これは従来の暗号化手法とは異なり暗号化した後は元に戻す事が出来ません。多くのウェブサイトはセキュリティ上の観点からパスワードをハッシュ化して保存しています。

ある値をハッシュ化すると必ず同じ文字列になります。従ってウェブサイトなどのログイン画面では、ユーザーの入力したパスワードをハッシュ化して比較します。これでパスワードが正しいかの確認は出来ますが、ユーザーがパスワードを忘れてしまっても教えることは出来ません。そもそもサイトの管理者もパスワードを知ることが出来ません。ハッシュ化したオリジナルパスワードを知るの現実的には不可能です。セキュリティの観点からすると、非常に安全な方法だと言えます。

ブロックチェーンでは台帳をハッシュ化して保存しています。たとえば、「2017年3月10日 AさんからBさんに1万円振込」などの情報が「xfbabeyiu189jbajklfjjgouby」などのハッシュに変換されます。もしBさんがズルをして2万円振り込まれたと台帳を書き換えたい場合は、台帳自身とハッシュを両方改ざんする必要があります。これで変更するデータが増えるのでより安全になります。

一般的なハッシュ化は簡単に出来てしまうのですが、ブロックチェーンではハッシュ化のルールを決めて計算を非常に難しくしています。例えばビットコインなどでは高級なスーパーコンピューターを使ってハッシュ化を行っています。

その上、ブロックチェーンではある取引のハッシュ化をする時に、前回の取引のハッシュ化の結果を混ぜています。この為、ある時点の取引内容を改ざんした場合、それ以前のハッシュ化も全てやり直す必要があります。これによってデータの改変は現実的に不可能になっています。

前回説明した分散化と今回説明した方法で、ブロックチェーンは「現実的には」誰もズルが出来ないシステムを実現しています。ただし、あくまでブロックチェーンは台帳管理システムなので、どれだけの事が実現できるのかと疑問に思う方も多いと思います。それを解くカギがこのコラムの主題であるIoTとクラウドです。次回はこの点について説明します。

Written by plsplsme

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