前回の投稿ではアメリカで商用目的でドローンを飛ばすためには商用ライセンスが必要であることをお伝えさせていただきました。 商用ライセンスを所有していればドローンで撮影した写真や動画などを販売することも出来ますし、趣味目的の用途からかなり大きく制限が緩和されます。 その商用ライセンスを所有するための方法を簡単におさらいしてみましょう。
・ テストは筆記のみ
・ 全60問の三択形式で70%以上の正解でパス
・ FAAから指定された場所で受ける
・ 与えられた時間は2時間
・ テストを受けるのに150ドルかかる(落ちた場合はまた支払いが発生)
・ 再テストを受けるには14日間空ける必要がある
・ 辞書やその他持ち込みは一切禁止
ということでしたが、もう少し詳しく説明していきたいと思います。
FAAから指定された場所とはそもそもどこのことを指すのでしょうか?
こちらのリストをご覧ください。
アメリカ国内で試験を受けられる会場が全てリストアップされています。 南カリフォルニアのロサンゼルスエリアだとCAのリストからLong Beach、Santa Monica、Inglewood、Torranceあたりが近いのではないかと思います。 ちなみに私の場合はTorranceが一番最寄りの街でしたので、Rolling Hills Aviation, Inc.という場所で受けました。 特に予約は必要なく、来た人から順番にテストを受けられるシステムでした。 テストルームにはコンピューターが3台あって、月曜から金曜までは朝8時半から午後3時まで、土曜は午後2時まで、日曜は午後1時まで受けられるようです。
肝心のテストの内容ですが、これははっきりと申し上げてしっかりと勉強しないと結構難しいです。
事故を起こした場合は金額がいくら以上の場合、そして何日以内にレポートしなければいけないか、などの簡単な問題ももちろんありますが、下記のような勉強していなければ全く何を聞かれているのかも分からない問題も結構多く出てきます。
例えば下記の図を見て、
KJFKの現状況ではドローンを飛ばせるか?というような問題があります。
回答はTrue、Falseのような簡単なものではなく、なぜTrueなのか、なぜFalseなのかというような説明文まで入ってきます。 注目すべきは1/2SMと書いてある部分でこれは視界が0.5 Statute Mileしかないことを表しています。 アメリカでドローンを飛ばすにはStatute Mileが3マイル以上あることが必須ですから、回答はStatute Mileが3マイルに達していないので飛ばせないというのが正しい回答になります。
このような問題はどうでしょうか。
もう見るだけで頭が痛くなりそうな文字の羅列です。 これはTAFといって空港付近の状況(空港から5マイル以内であったと記憶)を発信しています。 KOKCのこのレポートはいつからいつまでを示すものでしょうか?のような問題も出てきます。いつからいつまで、つまりは月日や時間が関係していることは明白なので、勘が鋭い方なら0512/0618が怪しいと感じるでしょう。 回答は5月12日から6月18日では? 当然3つの選択肢の中にそんな回答も入っています。 でも残念ながら不正解です。
0512はその月(このレポートが出された月、6月なら6月)の5日、12時を示します。 よって0618は6日18時。 つまりこのレポートは5日12時から6日18時までが対象となっています。
難しいですね。
更にはこんな地図問題も多く出題されます。
①の空港の南側にある鉄塔で一番高いものは下記のうちどれでしょうか?と聞かれます。 なんとなくマークで鉄塔は分かると思いますが、一応赤丸で囲ってみました。
でも2772、3147、3149に1081など色々と数字がありますよね。 選択肢はこんな風になっています。
a) 3147 AGL b) 1081 AGL c) 3149 MSL
数字が一番大きいのは3149だけど、MSLとかAGLって一体・・・と頭を悩ませます。 AGLはAbove Ground Level、MSLはMean Sea Level、それぞれ地表からの高さ(標高?)に海抜です。 障害物などは基本的に海抜からの高さではなく、地表からの高さによってその大きさが変わりますよね。 よって、↑の地図を再度見てみると、3149 MSLは1031 AGL、1031 AGLよりも1081 AGLの方が高いので、回答はbの1081 AGLが正解です。 地図の中に出てくる括弧があるものはAGL、括弧がないものはMSLということも覚えておかなくてはいけません(例外あり)。
このような図に関しては問題と一緒になっているわけではなく、テストを受ける際にSupplement Fact(テキストブック)が渡されますので、そのテキストブックと照らし合わせて回答することになります。
こういった地図の記号や空港付近で発信されるTAFなどをしっかりと読み、理解しておくことがテストを合格するコツです。
ちなみにちょっと大変ですが、こちらがFAAから配布されているStudy Guideですので商用ライセンスが欲しいと思っている方は頑張って勉強してみましょう!!
テストが終わればその場で採点され、合格、不合格がその場で分かります。 間違った問題に関しては答えこそ出てきませんが親切にこの問題を間違えましたよ、と教えてくれるシステムになっていました。
そしてこのような証書をもらいます。
結構しっかり勉強して85%の正解率で見事に合格となりました。
でも残念ながら受かったからといってそのままそれがCertificateになるわけではないのです・・・
このあとに新たに申請をしなくてはいけないのですが、そのお話はまた次の機会に。
それでは皆さん、Happy Drone Lifeを!!
Posted by ASTERAS
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