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CHI KITAGAWA

目指せ、小学5年生レベルの文章。

更新日:2021年3月10日


アメリカのコピーライター達が使っている、ちょっとした言葉のワザ

【第2弾】は 目指せ、小学5年生レベルの文章。

大人になるにつれ、つい難しい言葉を使ったり、かっこいい言い回しをしたくなったりします。しかしビジネスやマーケティングにおける「伝わる文章」には、それらは必要ありません。移民の国アメリカでは、文化の違いや教育レベルの違いによって、必ずしも全員が全員特定の言葉やフレーズを理解するとは限りません。その為アメリカでは特に、どんな人が読んでも一発でわかる文章が最優先されるのです。理想は、小学5年生でもわかる文章です。

小学5年生でもわかる文章を書く為の、3つのポイント

ポイント1:余計な言葉をそぎ落とす。

基本的にどんな文章も長くなればなるほど、わかりにくくなります。伝わる文章への一番の近道は、余計な言葉をそぎ落とし、文章を短くすることに尽きます。余計な言葉とは、文章の中で機能していない言葉のこと。その言葉を無くしても、意味が伝わる。むしろもっと力強い文章になることもあります。

例えば:「that」

文章と文章を繋げる為の「that」はほとんど切り落としても同じ意味が保てます。

例)Imagine that you're traveling. You realize that you forgot to record your favorite TV show.

(和訳:出張中を想像してみてください。大好きなテレビ番組の録画をし忘れてしまったことに、あなたは気づきます。)

→Imagine you're traveling. You realize you forgot to record your favorite TV show.

「that」を無くすことで、同じ意味が保たれつつ、より読みやすくなりました。たとえ一言でも、文章の読みやすさは格段に違います。他にもReally、Very、Actually、Justなども、ほとんど削ぎ落とせる言葉です。言葉一つ一つを吟味し、本当に重要な言葉のみを残すと、よりダイレクトで力強い文章になります。

ポイント2:アクションを起こしている人を主人公にする。

まずはこちらの二つの例をご覧ください:

A)The video was posted on Facebook by Amy.

(和訳:動画はエイミーによって、フェイスブックに投稿された。)

B)Amy posted the video on Facebook.

(和訳:エイミーが動画をフェイスブックに投稿した。)

両方共同じ物語を語っていますが、Bの方が文字数も少なく、圧倒的に読みやすいです。AはPassive Voice、BはActive Voiceと言う文法を使っています。

Passive Voiceはアクションを受ける側の人物に重きが置かれます。対するActive Voiceはアクションを起こしている人物に重きが置かれます。Passive Voiceはよく教科書や論文などの学問の世界に登場します。なぜなら、大抵の場合、アクションを起こしている研究者や技術者より、研究されているトピックに重点が置かれているからです。しかし、ビジネスやマーケティングでPassive Voiceを使うとどうしても文章が複雑になってしまい、読者が混乱してしまうのです。アクションを起こしている人物を常に主人公にしてあげると、よりわかりやすい文章になります。

ポイント3:かっこいい風の言葉は使わない

英語で、Jargonと言う言葉があります。「専門用語」とも言いますが、ようは無意味に難しい、「かっこいい風の言葉」のことです。

例えば、こんな言葉達:

Market-Leading(マーケットリーダー), World-class(世界級), Cutting-edge(最先端), Best-in-class(ナンバーワン), Breakthrough(画期的), Next-generation(次世代), Innovative(革新的), Revolutionary(革命的)

かっこいい風の言葉は、見栄えは良いですが、実は読者にとってはあまり意味がありません。おそらく読み飛ばされてしまうでしょう。例えば、「革命的」。まず、本当に革命的な商品はこの世にいくつも存在しませんし、それを読者もわかっています。また、本当に革命的な商品は自ら「革命的」とは言わず、商品を使った人々がどう得するのかを、シンプル且つ具体的な言葉で表しています。

例えば、何でも記録ができるツール、Evernoteの初期時代のウェブコピーはこちら:

Remember Everything

Evernote apps and products make modern life manageable, by letting you easily collect and find everything that matters.

(和訳:すべてを記憶。エバーノートは、あなたにとって大切なすべてのことを簡単に見つけられるようにし、複雑な毎日を管理できるものにします。)

難しい言葉を押し付けるのではなく、読者のことを思いやったシンプルな表現になっています。

以上が小学5年生でもわかる文章を書く為の、3つのポイントになります。

このプロセスを自分でやろうと思うとかなりの時間と労力が必要になりますので、時短できるツールをひとつご紹介します:Hemingwayapp

自分が書いた文章をコピペすると、その文章の読みやすさを審査し、改善方法も提案してくれます。右上に何年生のレベルの文章なのかも表示されますので、良い目安にもなります。ほんの少しの工夫で文章の読みやすさは大きく左右されますので、是非使ってみてください。

Written by CHI KITAGAWA

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