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人事マン

【労務&人事 in アメリカ】残業代の定義が厳しいカリフォルニア州


どうも。またの登場、人事マンです。

前回の、最低賃金:ノンエグゼンプトとエグゼンプトに関するコラムはここをご参照

さて、今回は残業代の計算方法について。最近でこそ日本でも残業代の未払い問題なんていうニュースが話題になっているが、まだまだきちんと支払われていないのは明白である。その点、米国では残業代の未払い問題は即訴訟に繋がってしまう可能性があり、とてもリスキーな行為である。ちょっと位の残業時間なら支払わないでも問題ないだろうなんて甘い考えは起こさないように。そして、特にカリフォルニア州では、残業代に関しての法律も厳しく制定されている。

残業代とは、労働基準法で定められた時間以上の法定労働時間を超過して就労(法定時間外労働)をした際に支払われる報酬の事で、米国の連邦法ではこの時間は1週間40時間と定められている。つまり、連邦法では1週間40時間が「法定労働時間」という事になる。よって、1週間40時間以上の就労を行った際には、該当従業員の時給の1.5倍が「残業代」として支払わなければならない。

Photo by Sharon McCutcheon on Unsplash

ここからは1週間40時間の就労を行った際に起こり得る、ニューヨーク州、カリフォルニア州での給与の支払い方法での違いについて簡単に説明(前提として(1)従業員の時給は10ドル、(2)1週間を月曜日から日曜日とする)。

ニューヨーク州では残業代に関しての州独自の州法が設立されておらず、連邦法の1週間40時間以上の就労について、時給の1.5倍の残業代の支払いが必要となるので、以下のような就労を行った際には残業代は発生しない。

対して、カリフォルニア州では連邦法の1週間40時間以上という法律以外に、以下のような州独自の残業代に関する法律が制定されている。

これを参考にして、上記のニューヨーク州での例と同じ時間での就労をカリフォルニア州で行った場合。

ニューヨーク州と異なりカリフォルニア州では、1日単位で就労時間を管理して残業代の計算を行う必要があるのが分かってもらえると思う。そして、1日単位で就労時間を計算する事によって、1週間の労働時間が同じでも、カリフォルニア州では8時間以上の就労に関しては残業代を支払う必要が出てくる為、より多くの人件費が掛かってしまう。カリフォルニア州で経営をしている皆さん、残念。そして、週休3日制はカリフォルニア州では難しいのである。カリフォルニア州で就労をしている皆さん、残念。

この残業代の未払い問題というのはお金に直結するので、米国では訴訟の案件としてとてつもなく多い事項である。前回のコラムでのおさらいをすると、ニューヨーク州よりもカリフォルニア州では更に従業員の「時間の管理」が重要となり、管理を徹底する事が最終的に人件費を抑える事に繋がるのである。「残業代を抑える=時間の管理」と考えて、支払わないのではなく、支払う事が必須という前提で次のアクションを検討しましょう。

Written by 人事マン

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