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IoTとクラウドが作る未来#12 スマートスピーカーの正体


2000年代の日本の電気メーカーはホームサーバーを作ろうと必死でした。家庭内の動画、音楽、写真をビデオレコーダーに一括管理しておいて、家にあるデバイスで再生できるようにするというものです。基本的には同じメーカー同士でしか接続出来ないようにして、自社メーカーの商品にロックインする事も一つの大きな目的でした。ただ色々と問題があったのか、この分野の商品が市場を席巻する事はありませんでした。SonyのPlaystation3も発売当初はホームサーバー用途を強調したマーケティングだったと記憶しています。

そんなSonyに追いつき追い越せと頑張っていたスティーブ・ジョブスが、iPhoneを発明してデジタル家電を市場からほぼ駆逐してしまいました。iTuneのようなサービスのおかげで、音楽や映画を楽しむのは携帯とタブレットで十分になった為です。

日本のメーカーにとってもう一つショックなのは、iCloudでホームサーバーの思想も実現されてしまった事でした。ご存知の通りiCloudはiTunesで購入した音楽や動画だけでなく、写真も保存しておけます。それを見るのはiPhone,Mac,Apple TVなどです。ホームサーバーの機能をクラウド上で実現してしまったのです。

そんな流れで家庭内のデジタル機器はどんどん無くなっていきました。オーディオにいたっては家庭からほぼ無くなって、携帯からの音楽を再生するスピーカーだけが残りました。

Retrieved from business insider

そんなスピーカーもしばらくは音響メーカーのものが幅をきかせていましたが、最近はスマートスピーカーなるものが殴り込みをかけてきました。アップルもHomePodを発表して、今年の冬に発売する予定です。もちろんこれでiTunesの音楽を聞く事も出来ます。それ以外にもSiriを使って音声認識で音楽を再生する事も出来ますし、将来的にHomePodに話しかければAppleTVで映画が再生されるようになるでしょう。つまり、このスマートスピーカーはホームサーバーへの入り口でもあるのです。最終的に実現されるのはいわゆるスマートホームです。HomePadに話しかければ家のエアコンを動かす事も出来ます。

Retrieved from smashtoast.com

長年日本の電気メーカーを引っ張ってきたソニーも先日スマートスピーカーを発表しました。HomePodのようにスピーカーの音質を売りにした商品です。しかし音声認識などの部分はGoogleの借り物です。ホームサーバー実現を夢見ていた日本のメーカーがこういう形で市場に参入するのは少し寂しいものがあります。ただ現時点ではスピーカーで出来る事は限られていますし、スマート家電を使いこなすのはハードルが高いのが現実です。日本のおもてなし精神を発揮して、この辺りの課題を解決して市場を驚かせて欲しいものです。

Written by plsplsme

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